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鍋山 勝幸44歳(令和7年3月現在)、有限会社なべやまの代表をしており、抹茶の原料となる「てん茶」の生産・加工を主に営んでいます。
志布志市出身で、19歳のときにお茶の仕事に携わり、35歳のときに親より経営を継承しました。
お茶の他にも、大麦若葉・オーガニック野菜の生産を行っています。
両親が培ってきた経営のノウハウと地盤を引き継ぐことが出来たため、経営の継承にあたり特に問題はありませんでした。
継承してからは、私は販売・経営に注力し、茶工場での荒茶製造や管理・運営については弟に、経理に関する事の総括は妻に任せるなど、役割を明確に分担して、家族や社員がそれぞれの立場でしっかりと責任を持ち、経営に取り組む体制づくりに努めてきました。
現在まで公私共に、様々な役職を担わせていただき、それも自分にとってやりがいがあると捉え、日頃の活力に換えています。
また、私は自他ともに認めるポジティブな性格なため、仕事で失敗しても前向きに乗り越え、挑戦し続けてきたことで、今の「なべやま」があると思っています。
会社を大きく成長させることが出来た要因として、互いに切磋琢磨しあえる同業者が居てくれたことや、古くから気心を許せる関係にある社員、その家族が傍にいてくれたことが大きかったと思います。
また、地元なので、社員やその家族と顔見知りであることが多く、なべやまで働いていることを皆が誇りに思えるような職場にしたいという思いも仕事の励みになっています。
「稼ぐ農業」の実現に向け、数年先の目標をしっかり設定して、小さな目標の達成を積み重ねることが大切です。
農業は、様々な要因に影響を受けやすい不安定な職業のため、安定したシステム作りをすることが、農業を続けるために重要なことだと思います。
私は、市内のお茶農家の中では、まだ若手の立場ではありますが、同年代とともに、本市の茶業をけん引していけるような存在になりたいです。
特に、若手にとって大きな壁であり続け、「なべやまを超えてやる!」と奮起させ、若い世代が志布志市の茶業を盛り上げていってくれることが私の目標です。
また、これまで自分を支えてくれた地元(志布志)に対して、地域活性化の為に、少しでも貢献できる働きをしたいと思っています。
鹿児島県は荒茶及び抹茶の原料である「てん茶」の生産量が全国一位となっており(令和7年2月18日発表)、志布志市のてん茶は全国でも屈指の生産量を誇っています。
現在、国内外を問わず、抹茶を使用した飲料やスイーツが注目を集めており、抹茶の需要価値は年々増加する傾向にあります。
鍋山勝幸さんは、企業と連携し、商品に使用する抹茶の提供や国外への輸出へも注力しており、茶業界全体を盛り上げ、しぶし茶という存在を大きくPRする活躍をされています。
これらの活躍は、茶農家の高齢化などが深刻な問題として挙げられる中、しぶし茶の未来を担うリーダーの育成に、大きな影響を与えることが期待されます。