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学校給食における食物アレルギー対応
学校給食における食物アレルギーについては,文部科学省監修の下、平成20年に公益財団法人日本学校保健会が発行した「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」に基づく対応をすることとなっています。
食物アレルギーに関する基礎知識
食物アレルギーとは
一般的には特定の食物を摂取することによって、皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身性に生じるアレルギー反応のことです。
原因食物は多岐にわたり、学童期では鶏卵、乳製品だけで全体の約半数を占めていますが、実際に学校給食で起きた食物アレルギー発症事例の原因食物は甲殻類(エビ、カニ)や果物類(特にキウイフルーツ)が多くなっています。
症状は、じんましんのような軽い症状からアナフィラキシーショックのような命にかかわる重い症状まで様々です。注意すべきは、食物アレルギーの約10%がアナフィラキシーショックにまで進んでいる点です。
「原因となる食物を摂取しないこと」が唯一の治療(予防)法ですが、万一症状が出現した場合には、速やかに適切な対処を行うことが重要です。
アナフィラキシーとは
じんましんなどの皮膚症状、腹痛や嘔吐などの消化器症状、呼吸困難などの呼吸器症状が、複数同時にかつ急激に出現した状態をアナフィラキシーといいます。
児童生徒に起きるアナフィラキシーの原因のほとんどは食物ですが、それ以外に昆虫刺傷、医薬品、ラテックス(天然ゴム)などが問題となっています。中には、まれに運動だけでも起きることがあるようです。
皮膚が赤くなったり、息苦しくなったり、激しい嘔吐などの症状が複数同時にかつ急激にみられますが、もっとも注意すべき症状は、血圧が下がり意識の低下がみられるなどのアナフィラキシーショックの状態です。迅速に対応しないと命にかかわることがあります。
アナフィラキシー症状は急激に進行することが多く、最低1時間、理想的には4時間は経過を追う必要がります。経過を追う時は片時も目を離さず、症状の進展がなく改善している状態を確認することが大切です。
(「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」(公益財団法人日本学校保健会))
学校給食における対応
基本的な考え方
学校給食は、学校給食法にもあるように、栄養のバランスのとれた食事を提供することにより、健康の保持増進や体位の向上に大きな役割を果たしているばかりでなく、望ましい食習慣を身に付け、好ましい人間関係を育てる場でもあります。さらに、食に関する指導を行うことで、心の育成や社会性の涵養、自己管理能力の育成など重要な役割を果たしています。
学校給食における食物アレルギー大原則
「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」では、次のようになっています。
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食物アレルギーを有する児童生徒にも、給食を提供する。そのためにも、安全性を最優先とする。
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食物アレルギー対応委員会等により組織的に行う。
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「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」に基づき、医師の診断による「学校生活管理指導表」の提出を必須とする。
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安全性確保のため、原因食物の完全除去対応(提供するかしないか)を原則とする。
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学校及び調理場の施設設備、人員等を鑑み無理な(過度に複雑な)対応は行わない。
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教育委員会等は食物アレルギーに対応について一定の方針を示すとともに、各学校の取組を支援する。
志布志市の基本方針
市では、「学校給食における食物アレルギー対応マニュアル」に基づいて、次により対応しています。
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食物アレルギー対応食を実施する場合は、医師の診断と指示(学校生活管理指導表)に基づくことを原則とします。また、必要に応じて面談等を行うこととしています。
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家庭でも医師の指示により、原因食品を取り除いた食事を摂取していることとしています。
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「アレルギー給食対応依頼書」「学校生活管理指導表」を提出していただきます。また、医師から特別の指示が無い限りは、毎年提出していただきます。
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コンタミネーション(原材料として使用していないにもかかわらず、アレルギー食品が微量混入してしまうこと)に対する対応及び揚げ油の共用ができない重症な児童生徒へは、対応できません。
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アレルゲンが多岐に渡り、複雑な対応が必要な児童生徒については、無理に対応せず、家庭に代替食等の持参をお願いしています。
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食物アレルギー対応食の解除を申請する場合は、医師の診断のもと家庭において、複数回、学校での最大摂取量を食べても症状が誘発されないことを確認した上で、「食物アレルギー対応給食解除届出書」を提出していただきます。
【食物アレルギー以外の病気等による対応の希望がある場合】
「食物アレルギー以外による給食対応依頼書」「診断書(各医療機関様式)」を提出していただきます。
詳しくは、学校給食センターまでお問い合わせください。