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【志布志防災X】第25回 なぜ風は渦を巻くのか?地球の自転が生み出す不思議な力
みなさんは、『お風呂の栓を抜くと、水が渦を巻きながら流れ出ていく』様子をご覧になったことがあるかと思います。まっすぐに吸い込まれるのではなく、なぜ渦を描くのか、その理由をご存じでしょうか。実はこの現象の背景には、「地球の自転」が関わる、非常に大きな力が働いているのです。
今回は、天気予報をより深く理解する上で欠かせない、この不思議な力について解説いたします。
北極点から赤道へボールを投げるとどうなる?
まず、次のように考えてみましょう。
『北極点に立っている人が、赤道上にいる人めがけて、まっすぐ南にボールを投げる』とします。
『まっすぐ投げたのだから、赤道上の人に当たりそう』と思いますよね。
でも実際には、ボールは少し西側にずれて進みます。

なぜずれるの?
理由は、地球が自転しているからです。地球は西から東へ回っています。そのため、地面の場所ごとに、東向きの速さがちがいます。
★北極点では、地面の回転の速さはほぼ0(ゼロ)
★赤道では、地面がかなり速く東へ動いている
つまり、赤道上のAさんは、北極点の人よりもずっと速く東へ動いています。

つまり、どうなるの?
北極点から赤道へ向かってボールを投げると、ボールはまっすぐ南に進むつもりでも、地球の自転のせいで進行方向の右側に曲がることになります。
このように、北半球では動くものは右に曲がるので、南へ進むボールにとって「右」は「西」、つまりボールは西へそれていくように見えるのです。

大事なポイント
自転している地球上では「コリオリの力(ちから)」という「見かけの力」が働くというわけです。
北半球:進むものは右に曲がる
南半球:進むものは左に曲がる
「コリオリの力」が天気の渦を形成する
それでは、この力が気象現象にどのように影響を与えるかを見ていきましょう。
空気は、気圧の高い「高気圧」から、気圧の低い「低気圧」に向かって流れる性質があります。これが「風」の基本的な原理です。しかし、地球が自転しているため、風はまっすぐに低気圧の中心へとは進めません。
私たちが住む北半球では、低気圧に向かう風は「コリオリの力」によって、常に進行方向の右へ右へと進路を曲げられ続けます。その結果、風は低気圧の中心に直接飛び込むのではなく、その周囲をぐるぐると「反時計回り」の渦を巻きながら、中心に向かって吸い込まれていく形になるのです。
コリオリの力が作る巨大な渦「台風」
コリオリの力は、単に風の向きを変えるだけでなく、時には甚大な被害をもたらす巨大な渦を形成します。その代表例が「台風(熱帯低気圧)」です。
台風は、赤道付近の暖かい海上で発生した大量の水蒸気が、コリオリの力を受けることで巨大な反時計回りの渦を形成し、莫大なエネルギーを蓄えながら発達したものなのです。
【豆知識】お風呂の渦の向きは?
『日本(北半球)のお風呂の渦は、必ず反時計回りになるのでしょうか?』
という質問を受けたことがあります。これは、非常によい着眼点だと思います。
結論から言うと、お風呂やシンクの水の渦、あるいは竜巻やつむじ風といった現象は、その規模(スケール)が地球の自転に比べてあまりにも小さいため、コリオリの力が影響を及ぼすことはほとんどありません。
そのため、栓の形状や水の初期の動きといったごくわずかな要因によって、反時計回りにも時計回りにもなり得ます。
これまでの志布志防災Xは、以下のリンクから確認できます。
気象防災アドバイザー・気象予報士 黒川晃






