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10月7日から14日にかけて、2024年のノーベル賞の各賞が発表されました。その中で、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)がノーベル平和賞を受賞されました。日本のノーベル平和賞受賞は1974年に佐藤栄作元首相が受賞して以来、実に50年ぶりとのことで大変喜ばしい報道が飛び交っていました。
報道を見ていますと、被団協は今回の受賞について、「核廃絶に関する被害者の訴えを、世界の共通認識とし、世界的な運動にしないといけないと判断したのであろう」との見方を示していました。被団協の皆さんを中心に、これまで世界中に核廃絶を訴え続け、来年は戦後80年、つまり被爆から80年を迎えることとなります。継続した取組は実を結び、2021年には核兵器禁止条約が発効しました。しかしながら、日本は唯一の戦争被爆国であるにもかかわらず、署名・批准していません。このことについては、被団協も参加を求めていますが、日本はアメリカの「核の傘」への依存を強めているような状況です。
私は、被団協が指摘するように、日本が堅持してきた「非核三原則」、核兵器を「持たず、作らず、持ち込まず」を掲げるのであれば、署名・批准はして当然ではないかと考えます。
私たちは、今回の被団協のノーベル平和賞受賞を「おめでたいこと」で終わらせず、核廃絶を人類の課題と捉え、核の恐ろしさについて、現代を生きる全人類、そして後世へ伝えていかなければならないと強く感じました。